東京の借地における譲渡承諾料と建替え承諾料等の相場について
借地は土地賃貸借契約書において、借地上の建物を第三者に譲渡する場合、増改築する場合は、予め地主さんの承諾を要するというような定めがあると思います。
この地主さんの承諾を得る際に、借地人さんから地主さんに承諾料を支払うことが一般的となっております。
今回はこの承諾料の相場についてお話ししようと思います。
①借地権譲渡の承諾が必要な場面とは?
借地権を第三者に売買や贈与する場合に予め地主さんに得る承諾の際に授受される承諾料が借地権譲渡承諾料となります。
相続で親から子に権利が移転した場合(法定相続人への相続)は地主さんの承諾は不要です。しかし、法定相続人以外への相続(遺贈)は地主さんの承諾が必要ですので注意が必要です。
ちなみにですが、親の借地で老朽化した親の住居を、子の名義で建替えることも借地権譲渡となり地主さんの承諾が必要となりますのでご注意ください。
②東京の借地権譲渡承諾料の相場は?
では、実際の借地権譲渡の承諾料の相場ですが、これは東京に限らず関東近郊の都市部は同じように考えても問題ないと思いますが、借地権譲渡承諾料の相場は『借地権価格の10%』となります。
例えば、周辺の更地価格が1坪当たり100万円で、借地権割合60%のエリアで30坪の借地をしている場合、借地権価格は1800万円となりますので、180万円が借地権譲渡承諾料の目安となります。
③建て替え承諾が必要な場面とは?
借地上の建物は借地人さんの持ち物ですので、自由に増改築が可能であるべきですが、多くの土地賃貸借契約書では、借地上の建物について無断での増改築を禁止する特約があります。この特約がある場合、借地人さんはご自身の住宅であっても、地主さんの許可なく自由に増改築を行うことが出来ません。
※ただし、雨漏りの修理のような修繕であれば地主さんの承諾は不要とされます。
従って、このような増改築禁止特約がある借地の場合、借地人さんは、予め地主さんに建て替えの承諾を得る必要があり、この時に承諾料を支払うことになります。
④東京の建替え承諾料の相場は?
この時の建替え承諾料の相場ですが、こちらも東京に限らず関東近郊の都市部は同じように考えても問題ないと思いますが、建替え承諾料の相場は更地価格の3%~5%となります。
例えば、周辺の更地価格が1坪当たり100万円のエリアで30坪の借地をしている場合、更地価格は3000万円となりますので、90万円~150万円が建替え承諾料の目安となります。
以上、譲渡承諾料、建替え承諾料の相場についてお話ししました。
詳細は、弊社アバンダンスの代表中川祐治の著書『底地・借地で困ったときに最初に読む本』のP81~P84に記載してありますので、是非、ご参照ください。