東京の借地で雨漏り修繕は地主さんの承諾が必要なのか?

query_builder 2021/04/30
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借地上の建物の増改築や修繕は地主さんの承諾が必要なのかという相談も多く寄せられます。

いくら借地している土地とは言え、建物は借地人さんの所有物になります。増改築や修繕は自由にできて当然だと思いますが、実際どうなのでしょうか?


①借地上の建物の増改築や大規模修繕は基本的に借地人の自由!

しかし、多くの場合、土地賃貸借契約にて『事前に地主の承諾を要す』という特約があり、無断での増改築等は契約違反となる!

借地人さんが増改築等を行おうと計画する場合、何よりもまず、土地賃貸借契約書を読み返しましょう。そこに、増改築の際は地主さんの承諾を要するといった内容の特約がないか入念に確認しましょう。

この特約があれば、借地上の建物の増改築等をする場合、地主さんの承諾が必要となります。

反対にこの特約がなければ、契約上は問題ないとして、地主さんに相談なく増改築をして良いことになります。


※契約上問題ないとは言え、増改築費用を金融機関に借入する際、金融機関に『地主の承諾書』の提出が必要になることが多く、借入をする場合、結局は地主さんの承諾得ることになりますので、増改築の計画は慎重に検討してください。考え方や順序を誤ると、地主さんに不信感を与えてしまい、承諾書を発行してもらえず、建て替え計画が実行不能になることもありますのでご注意ください。


②増改築と修繕の違いとは?

増改築と修繕の違いは曖昧で判断が付けづらいことが多いです。

ここでは、簡単にその違いを解説します。

㋑増築…既存の建物の一部に建て増しすること

㋺改築…既存の建物の一部または全部を建て直すこと

㋩修繕…既存の建物の維持管理上おこなう修理のこと


雨漏りの修理は建物の維持管理上必要な行為なので、増改築には該当しません。

しかし、その修理が屋根の葺き替えにも及ぶような場合は、大修繕として地主の承諾を要する場合がありますので注意が必要です。


※修繕とは言え、足場を掛ける工事が始まれば、地主さんは驚いて工事を止めるよう駆け込んでくることもあります。スムーズに工事を進める為にも、事前に地主さんに工事の内容を通知しておくと良いかと思います。


③増改築の承諾料について

通常の修繕の範囲を超える大修繕や増改築を行う場合、事前に地主さんの承諾が必要になることは、これまでのお話しでご理解頂けたことと思います。

この地主さんの承諾には通常、承諾料の授受が伴います。

この増改築の承諾料にも相場があります。

相場については、別の記事(東京の借地における譲渡承諾料と建替え承諾料等の相場について)に詳しく解説していますので、そちらも合わせて確認してください。


本記事は、弊社アバンダンスの代表中川祐治の著書『底地・借地で困ったときに最初に読む本』のP46~に記載してありますので、是非、ご参照ください。

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